農家直伝、富有柿の豆知識

富有柿誕生の地・岐阜県瑞穂市

瑞穂市にある富有柿の原木
岐阜県瑞穂市居倉にある、富有柿の原木と記念碑

富有柿(ふゆうがき)は、国内で一番生産量が多い柿の品種で、他の品種と比べて果肉の食感が良く糖度が高いことから「甘柿の王様」と呼ばれています。

富有柿が生まれた発祥の地が、せっきーファームの農場がある「岐阜県瑞穂市」。

瑞穂市居倉(旧巣南町)には、富有柿が誕生した「原木」があり、指定天然記念物として石碑が建立されました。

瑞穂市から全国に富有柿の栽培が広がり、今では世界各国で生産され食べられています。

収穫時期は、11月上旬~12月上旬の約1ヶ月です(食べごろは11下旬)。


知って得する柿の特徴

栄養価が高い柿

柿はビタミンCが豊富で(みかんの約2倍)、タンニン、ビタミンK・B1・B2、カロチンなど多くの成分を含んでいます。また。柿を食べると風邪をひかなくなり、医者にかかる人が少なくなるという由来から「柿が赤くなると医者は青くなる」ということわざがあるほど、栄養価がとても高いスーパーフルーツです。

世界で販売されているKAKI
スペインの市場で販売されている柿

柿は英語で「persimmon(パーシモン)」と表記されますが、世界各国で「KAKI」の呼び方で通じます。

その理由は、ポルトガル人が種子島に鉄砲をもたらした1543年の秋。

日本の柿の美味しさに衝撃を受けたポルトガル人が、柿の苗と種を母国に持ち帰ったという説があります。その後、柿はヨーロッパ各地に伝わり、ポルトガル領だったブラジルでも「KAKI」は広まりました。そして現在、KAKIはスペイン、イタリア、イスラエル、そしてブラジルなど世界各国で生産されています。

柿は学名だと「Diospyros kaki(ディオスピロス・カキ)」=「神様がくれた食べ物」と呼ばれ、日本最古から伝わり日本を象徴する健康食材です。


美味しい柿の見分け方

美味しい柿の見分け方
ヘタと実の間に隙間があると甘みが不十分な場合があります

柿の美味しさを見分けるには「ヘタ」がとても重要です。4枚きれいにヘタが残っており、さらにヘタと実の間に隙間がないものが良い柿の条件です。

隙間があると、養分が上手く果実にいき届かず、甘みが不十分だったり、早く柔らかくなってしまうことがあります。

また、ヘタが乾燥して固く乾いてるものより、水分を含んで青々としている柿の方が、収獲して間もない新鮮な証拠です。

ブルームに覆われた美味しい柿
せっきーファームでは、ブルームに覆われた柿だけを選んで収獲しています

ヘタ以外にも、収穫の際に柿の表面に白い粉(ブルーム)に覆われていると、甘く新鮮な証拠です。

この白いブルームは、柿の果実に含まれる油脂成分で、果実を雨や病気や乾燥から守る役目を果たします。また、果実の水分の蒸発を防ぐ効果もあります。

せっきーファームでは、ブルームが残っている新鮮な柿を厳選してお届けしています。

厳選された商品ラインナップはこちら

 

※雑誌PreciousのWEB版、Precious.jp(プレシャス・ジェイピー)に、せっきーファーム・関谷の「美味しい柿」を見分ける条件について、というテーマで掲載されました。

Precious.jp「美味しい柿」を見分ける条件


柿の長期保存方法

柿を美味しく保存する方法
柿はヘタで呼吸をし水分を外に出すので、湿らせることで水分の蒸発が防げます
柿の保存の仕方

まだ熟す前の固い柿の時に、ティッシュペーパーやキッチンペーパーを柿のヘタの大きさに折り畳み、水で濡らしてヘタの上に置きます。

そして新聞紙かサランラップで覆い、ヘタの部分を下向きにして冷蔵庫の野菜庫に入れれば、2週間ほど日持ちます。

柿は収獲してから少しずつ追熟が進むので、少しでも長く保存されたい場合や、たくさんの柿をもらって一度では食べきれない場合に、この冷蔵保存がお薦めです。



美味しい柿シャーベットの作り方

美味しい柿の食べ方

柿は生のまま食べるのがお薦めですが、完熟した柿を凍らせてシャーベットとして食べても美味しいです。

作り方は、赤く柔らかくなった柿をサランラップで包み、冷凍庫に入れて凍らせるだけ。召し上がる際は、冷凍庫から取り出して1時間ほど待って半解凍させれば、とっても甘い柿シャーベットの出来上がりです。冬の鍋料理後のデザートや、暑い夏のデザートに最適です。 


瑞穂市の柿について

岐阜県は富有柿が多く生産されており、とくに瑞穂市、本巣市、大野町では富有柿の栽培がとても盛んです。

とくに瑞穂市は、柿栽培の歴史が古く「富有柿発祥の地」として積極的にPRしています。そこで、瑞穂市内の柿に関する歴史とPR活動についてまとめました。

江戸末期から続く富有柿の歴史

柿が描かれている浮世絵
「木曽街道六十九次 美江寺」歌川広重筆

今から約400年前、時の将軍・徳川家康によって江戸を中心とした幹線道路「五街道」が整備されました。

その五街道の一つ、木曽を貫く「中山道」は江戸と京都を結ぶ重要な街道として独自の文化が育まれ、道中の69を数える宿場の総称を「中山道六十九次」と呼ばれています。

せっきーファームの柿畑から直ぐの場所には、中山道55番目の宿場「美江寺宿」(岐阜県瑞穂市美江寺)があります。

浮世絵の紹介看板
美江寺に設置されている浮世絵の紹介看板

江戸時代末期の浮世絵師で、ゴッホやモネなどに影響を与えた著名な画家、歌川広重(代表作:東海道五十三次、冨士三十六景など)の作品の一つに、中山道六十九次の名所絵「木曽街道六十九次」があり、「美江寺」も描かれています。

描かれた美江寺には、せっきーファームの農場横を流れる犀川と竹藪、そして「柿」が描かれており、江戸時代末期からこの場所で柿作りが盛んだったことを物語っています。

かきりんのご当地ポスト&看板

瑞穂市のマスコットキャラクター「かきりん」が、富有柿をPRするために、色々な場所に出現しています。

かきりんと一緒に、カッキーマンも柿のPR活動をしました。

かきりんと柿のPR活動
巣南郵便局で行われた富有柿集荷出発セレモニー
FC岐阜の試合で柿をPR
FC岐阜の試合のハーフタイムに、スタジアムを巡回